「SRT 名古屋」と検索して、「名古屋に新しくできた乗り物って何?」「バスなの?電車なの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。SRTとは「Smart Roadway Transit(スマート・ロードウェイ・トランジット)」の略称で、2026年2月13日に名古屋駅〜栄間で運行を開始した、まったく新しい路面公共交通システムです。
📌 この記事でわかること
✓ SRTとは何か、BRTやLRTとの違い
✓ 路線・停留所・運賃・時刻表などの基本情報
✓ 全扉乗車やタッチ決済など独自の乗り方
✓ 車両のスペックとデザインの秘密
✓ 2026年秋以降の路線拡大計画
全長約18メートルの連節バスでありながら、車内にはカフェのようなサロン席や透明ディスプレイによるXR演出まで備え、従来のバスの常識を覆す乗車体験を提供しています。実は名古屋市が世界で初めて使った交通用語「SRT」には、この街ならではの狙いが隠されていました。この記事では、SRT名古屋の全貌を徹底的に解説します。
SRT 名古屋とは?2026年に誕生した新しい路面交通システム

SRTは名古屋市が都心部の回遊性向上とにぎわい創出のために導入した、まちづくりと一体化した路面交通システムです。「乗って楽しい、降りて楽しい」をコンセプトに掲げ、単なる移動手段ではなく都市の魅力を体感できる交通として位置づけられています。
SRTが生まれた背景と目的
名古屋市の都心部では、名古屋駅エリアと栄エリアという2つの商業中心地が約2.5kmの距離を隔てて存在しています。地下鉄東山線で結ばれてはいるものの、地下を移動するだけでは街の回遊性が生まれにくいという課題がありました。SRTは、この2大エリアを地上で結ぶことで、移動そのものを楽しみながら沿線のにぎわいを創出するという、まちづくりと一体化した交通システムとして構想されました。名古屋市は「乗って楽しい、降りて楽しい」をコンセプトに掲げ、単なる移動手段ではなく都市の魅力を体感できる交通として位置づけています。
SRTの名前の由来

SRTの正式名称は「Smart Roadway Transit」です。「Smart」はICT技術やキャッシュレス決済などの先進技術を、「Roadway」は路面(道路上)を走る交通であることを、「Transit」は公共交通システムを意味しています。日本語では「新たな路面公共交通システム」と呼ばれています。似た略称の「BRT(Bus Rapid Transit)」や「LRT(Light Rail Transit)」とは異なる独自の概念として、名古屋市が新たに打ち出したものです。ちなみに、「SRT」という名称は名古屋市が独自に考案したもので、世界的に見ても名古屋が初めて使用した交通用語です。
開業初日の様子と反響
2026年2月13日の運行開始日には、始発の名古屋駅桜通停留所に60人以上の行列ができ、先頭の乗客は夜中から並んでいたといいます。「東京にも連節バスはあるけど、こんな都会の中心を走るものはない」と話す鉄道ファンの姿も見られました。沿線では、赤信号で停車するたびに歩行者がカメラを向ける「カメラの列」が出現し、SNSでも大きな話題となりました。開業初日から注目度の高さがうかがえるスタートとなっています。
運行を担当するのは名鉄バス
SRTの運行は名鉄バス株式会社に委託されています。名古屋市が車両や停留所を整備し、実際の運行業務は名鉄バスが担うという官民連携の形態です。名鉄バスは名古屋市内で豊富なバス運行実績を持つため、安全面・運行管理面でのノウハウが活かされています。なお、市バスの敬老パスもSRTで利用可能です。
SRTとBRT・LRTは何が違う?3つの交通システムを比較
SRTという新しい名称を聞いて、「BRTやLRTとどう違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は、SRTはBRTの柔軟性とLRTの快適性を融合させた、いわば「いいとこ取り」の交通システムです。それぞれの特徴を比較しながら、SRTの独自性を明らかにします。
BRT(バス・ラピッド・トランジット)とは
BRTは「Bus Rapid Transit」の略で、専用レーンや優先信号を活用して高速・大量輸送を実現するバスシステムです。日本では新潟市のBRTや東京BRT(臨海地域)が知られています。BRTの最大の特徴は「速さ」で、専用レーンを走ることで一般のバスよりも定時性が高くなります。一方で、車両のデザインや乗車体験は通常のバスに近いものが多く、「移動の楽しさ」という点では課題が残ります。
LRT(ライト・レール・トランジット)とは
LRTは「Light Rail Transit」の略で、次世代型の路面電車システムです。日本では富山ライトレールや宇都宮ライトレール(芳賀・宇都宮LRT)が代表例です。低床車両による快適な乗降、静粛性、環境性能の高さが魅力ですが、線路の敷設に莫大なコストがかかるというデメリットがあります。名古屋市でもかつてLRT導入が検討されましたが、建設費の問題から見送られた経緯があります。
SRTはBRTとLRTの「いいとこ取り」
SRTは、BRTのように道路上を走るタイヤ式車両を使いながら、LRTのような洗練されたデザインと快適な乗車体験を追求したシステムです。線路が不要なためインフラコストを抑えつつ、車両内にはサロン席やカウンター席、透明ディスプレイによるXR演出など、従来のバスにはない付加価値を備えています。「高速性」よりも「快適性」と「街との一体感」を重視している点が、BRTとの最大の違いです。
| 比較項目 | SRT(名古屋) | BRT | LRT |
|---|---|---|---|
| 走行方式 | タイヤ(道路上) | タイヤ(専用レーン) | レール(軌道上) |
| 重視するポイント | 快適性・デザイン | 速達性・定時性 | 快適性・環境性能 |
| インフラコスト | 低い | 中程度 | 非常に高い |
| ルート変更の柔軟性 | 高い | 高い | 低い(線路依存) |
| 日本の代表例 | 名古屋SRT | 新潟・東京BRT | 宇都宮・富山LRT |
なぜ名古屋市はSRTを選んだのか
名古屋市がSRTを選択した背景には、いくつかの理由があります。まず、広小路通にはすでに地下鉄東山線が走っているため、LRTの線路を新たに敷設するのは非現実的でした。また、BRTのように専用レーンを設けると既存の交通に影響を与えるため、一般の車線を共用しながらも存在感のある交通システムが求められました。さらに、2026年9月に控えるアジア・アジアパラ競技大会に向けて、海外からの訪問客にも「名古屋の街を楽しんでもらえる」移動手段として、デザイン性とエンターテインメント性を重視したSRTが最適だと判断されたのです。
SRT名古屋の路線と停留所を徹底解説

SRTの現在の運行ルートは、名古屋駅エリアと栄エリアを結ぶ「名駅〜栄ルート」です。主に広小路通(ひろこうじどおり)を走行し、全長約5.6kmの区間に7つの停留所が設けられています。栄を起終点とする循環ルートで、1周約40分の旅を楽しめます。
停留所一覧と特徴
SRTの停留所は全部で7か所あり、そのうち3か所がSRT専用、残りの4か所は市バス・名鉄バスとの共用です。SRT専用の停留所は栄、名古屋駅桜通、名古屋駅(ミッドランドスクエア前)の3か所で、共用停留所としては広小路本町、納屋橋、柳橋などがあります。SRT専用停留所は、ウッド調のベンチやガラスウインドウ、デジタルディスプレイを備えた、従来のバス停とは一線を画す洗練されたデザインになっています。
| 停留所名 | 種別 | 最寄りの主要施設 |
|---|---|---|
| 栄 | SRT専用 | 栄地下街・三越・松坂屋・オアシス21 |
| 広小路本町 | 共用 | 本町通・丸栄跡地周辺 |
| 納屋橋 | 共用 | 堀川・納屋橋エリア |
| 柳橋 | 共用 | 柳橋中央市場 |
| 名古屋駅桜通 | SRT専用 | 桜通豊田ビル付近 |
| 名古屋駅(ミッドランドスクエア前) | SRT専用 | ミッドランドスクエア・名古屋駅 |
走行ルートの詳細
SRTは栄を出発すると、広小路通を西に向かって走行します。広小路通は名古屋を代表する目抜き通りで、江戸時代から続く歴史ある大通りです。途中、広小路本町(本町通との交差点付近)、納屋橋(堀川を渡るエリア)、柳橋(柳橋中央市場の最寄り)を経由し、名古屋駅桜通と名古屋駅(ミッドランドスクエア前)に到着します。帰りも同じルートを栄方面へ戻る循環運行です。地下鉄東山線と並行するルートですが、SRTでは車窓から名古屋の街並みを楽しめるのが最大の魅力です。
地下鉄東山線との違いと使い分け

名古屋駅〜栄間は地下鉄東山線でわずか約5分で移動できます。一方、SRTは同区間を約20分かけて走ります。単なる移動手段としてのスピードでは地下鉄に軍配が上がりますが、SRTの魅力は「移動を楽しむ」ことにあります。車窓から見える名古屋の街並み、透明ディスプレイによるXR演出、カフェのようなサロン席——これらは地下鉄では味わえない体験です。急いでいるときは地下鉄、観光やゆったり移動したいときはSRTという使い分けがおすすめです。
SRTが走る広小路通は、1610年(慶長15年)の名古屋城築城の際に整備された通りが起源です。城下町の「広い小路」として作られたことが名前の由来で、400年以上の歴史を持つ名古屋のメインストリートをSRTで走り抜けるのは、まさに歴史と未来が交差する体験といえるでしょう。
停留所のデザインにも注目

SRT専用停留所は、従来のバス停のイメージを覆すカフェテラスのような空間が特徴です。ウッド調のベンチが設置され、コーヒーを片手にバスを待てるような雰囲気を演出しています。デジタルサイネージには運行情報だけでなく、周辺の観光情報やイベント情報もリアルタイムで表示されます。停留所のデザインは車両と統一されたトータルデザインで、「アーバンゴールド」を基調としたカラーリングが目を引きます。一部の停留所は開業時点ではまだ仮設状態ですが、順次整備が完了する予定です。
SRT名古屋の運賃・時刻表・運行スケジュール
SRTに乗ってみたいと思ったら、まず知っておきたいのが運賃や運行スケジュールです。ここでは、SRTの料金体系、運行日、時刻表について詳しく解説します。
運賃は市バスと同じ210円

SRTの運賃は大人210円、小児100円で、名古屋市営バスと同額に設定されています。障害者手帳をお持ちの方は大人100円で利用可能です。1乗車ごとの均一料金で、途中のどの停留所で乗り降りしても料金は変わりません。さらに、クレジットカードのタッチ決済を利用すると、1日あたりの上限が大人500円・小児250円に設定されているため、2回以上乗車する場合はタッチ決済がお得です。市バスの一日乗車券や敬老パスもSRTで利用できます。
運行日と運行時間

SRTの運行日は金曜日・土曜日・日曜日・月曜日の週4日と祝日です。運行時間は午前9時台〜午後5時台で、1日12本(約1時間に1本のペース)が運行されます。平日の火曜〜木曜は運休となるため、利用の際は曜日に注意が必要です。なお、運行日や本数は今後の利用状況に応じて増便が検討されており、将来的には毎日運行になる可能性もあります。
⭐ 重要ポイント
SRTの運行状況はSRT公式サイト(srt.city.nagoya.jp)や公式X(旧Twitter)アカウント「@SRT_nagoya」でリアルタイムに確認できます。悪天候時の運休情報なども発信されるので、乗車前にチェックしておくと安心です。
運賃の支払い方法一覧
SRTでは多彩なキャッシュレス決済に対応しています。使える支払い方法は、現金、交通系ICカード(manaca・Suica・PASMOなど)、クレジットカードのタッチ決済(Visaタッチなど)、QRコード決済の4種類です。キャッシュレス決済を利用すると全扉から乗降できるため、スムーズに乗車できます。現金の場合は前扉からのみ乗車可能で、乗車時に運賃箱に料金を投入する方式です。おつりが出ないため、事前に小銭を用意しておきましょう。
| 支払い方法 | 乗降できる扉 | 1日上限 |
|---|---|---|
| 現金(210円) | 前扉のみ | なし |
| 交通系ICカード(manaca等) | 全3扉 | なし |
| クレジットカードタッチ決済 | 全3扉 | 大人500円 |
| QRコード決済 | 全3扉 | なし |
最新の時刻表と確認方法
SRTの時刻表はSRT公式ウェブサイトで確認できます。基本的には午前9時台に栄または名古屋駅を出発する便が始発で、午後5時台の便が最終です。約1時間間隔での運行のため、乗り遅れると次の便まで待つ必要があります。公式サイトは日本語・英語・韓国語・中国語(繁体字・簡体字)の5言語に対応しており、海外からの観光客も利用しやすい設計になっています。時刻表は季節やイベントによって変更される場合があるため、乗車当日に最新情報を確認することをおすすめします。
SRT名古屋の乗り方ガイド|全扉乗車の仕組みを解説

SRTの大きな特徴のひとつが「全扉乗車」です。一般的な路線バスでは後ろから乗って前から降りるのが基本ですが、SRTではキャッシュレス決済を使えば3つの扉すべてから自由に乗り降りできます。この画期的なシステムについて詳しく見ていきましょう。
キャッシュレスなら全扉OK
SRTの連節バスには前・中・後の3つの扉があります。交通系ICカード、クレジットカードのタッチ決済、QRコード決済を利用する場合は、どの扉からでも乗降可能です。乗車時に扉付近のリーダーにカードやスマートフォンを1回タッチするだけで決済が完了します。降車時のタッチは不要(均一料金のため)なので、どの扉からでもそのまま降りることができます。このシステムにより、混雑時でも乗降がスムーズに行われ、停留所での停車時間が短縮されています。
現金で乗る場合の注意点
現金で乗車する場合は、前扉からのみ乗車可能です。乗車時に運賃箱に210円(大人)を投入します。おつりは出ないため、事前に小銭を用意しておく必要があります。中扉・後扉からの乗車はできないため、混雑時は前扉付近で待つことになります。スムーズに乗車したい方は、事前にICカードを用意するか、クレジットカードのタッチ決済を設定しておくことを強くおすすめします。
乗車から降車までの流れ
停留所でSRTを待つ(デジタルサイネージで到着時刻を確認)
乗車:キャッシュレスなら全扉OK、現金なら前扉から
ICカード・タッチ決済をリーダーに1回タッチ(現金は運賃箱へ投入)
車内で移動を楽しむ(サロン席・カウンター・XR体験など)
降車ボタンを押して、どの扉からでも降りる(タッチ不要)
ベビーカーや車椅子での乗車
SRTの車両は低床設計(ノンステップ)で、歩道とほぼ同じ高さから乗り降りできるバリアフリー対応です。ベビーカーや車椅子での乗車も可能で、車内にはフリースペースが確保されています。扉の幅も広く設計されているため、大きな荷物を持っていてもスムーズに乗降できます。乗車の際にサポートが必要な場合は、停留所の係員や運転士に声をかけましょう。
SRT車両のスペックとデザインの秘密

SRTの車両を初めて見た人の多くが驚くのが、そのスタイリッシュな外観です。黒を基調としたボディに「アーバンゴールド」のアクセントカラーが映える近未来的なデザインは、名古屋の街並みに新たな彩りを添えています。
メルセデス・ベンツ「シターロG」がベース
SRTの車両は、ドイツ・ダイムラー社が製造するメルセデス・ベンツ「シターロG(Citaro G)」をベースにしています。シターロGはヨーロッパの主要都市で広く採用されている連節バスで、高い信頼性と耐久性が特徴です。SRT用にカスタマイズされた車両のスペックは、全長18,125mm、全高3,120mm、全幅2,550mm、車両重量17,530kg(満員時24,240kg)。最大定員は122名(座席35席)で、前方車両に76名(座席18席・立席57名・乗務員1名)、後方車両に46名(座席17席・立席29名)を収容できます。
「アーバンゴールド」のデザインコンセプト
SRTの外装デザインは「都心風景の未来を先導する」というコンセプトで統一されています。車体全体は黒(ブラック)を基調とし、四隅にグロッシーグリーンのパネルが配置されています。シンボルカラーの「アーバンゴールド(都市の金)」は、名古屋城の金鯱(きんしゃち)を連想させる色合いで、名古屋らしさと未来感を兼ね備えています。このデザインは車両だけでなく、停留所や案内板にも統一的に採用されており、トータルデザインとして一貫した世界観を演出しています。
SRTのデザインを見た沿線の人々は「SF映画に出てくる乗り物みたい」と評しています。実際、運行初日には赤信号で停車するたびに歩行者がカメラを向け、沿線は「カメラの列」状態になったほどです。名古屋市民にとっても、SRTは単なる交通手段ではなく街の新しいランドマークになりつつあります。
サロン席とカウンター席——バスの常識を覆す座席配置

SRTの車内に足を踏み入れると、通常の路線バスとはまったく異なる空間が広がっています。後方車両にはテーブル付きの4人掛けサロン席が配置されており、まるでカフェやレストランのような雰囲気です。向かい合わせで座りながら車窓の景色を楽しめる設計で、旅行者やグループでの利用に最適です。また、前方車両にはコンセント付きのカウンター席が設置されており、スマートフォンの充電をしながら外の景色を眺めることができます。このような座席配置は一般的な路線バスではほぼ見かけないもので、SRTならではの特徴です。
MOOX-RIDE——トヨタ紡織のXR技術が車窓を彩る

SRTのもうひとつの目玉が、トヨタ紡織が開発した移動体験支援システム「MOOX-RIDE(ムークスライド)」です。車内のディスプレイや窓ガラスに設置された透明ディスプレイに、走行位置に連動したコンテンツがリアルタイムで映し出されます。たとえば、納屋橋付近を走行中には堀川の歴史が、栄エリアに近づくと周辺グルメの情報が表示されるなど、名古屋の街の魅力を「車窓越しに」体感できます。名古屋国際工科専門職大学が制作したキャラクター「さとるくん」のアニメーションも楽しめ、子どもから大人まで飽きることなく乗車できる工夫が凝らされています。
乗り心地は「電車に乗っているよう」
SRTの乗り心地について、試乗した記者は「電車に乗っている気がしてくる」とコメントしています。連節バス特有の2両連結構造による安定感に加え、大きな窓から差し込む光が開放感を演出します。実際にカウンターにペットボトルを置いても倒れないほど揺れが少なく静かで、通常のバスとは明らかに異なる乗車体験です。床面のデザインや降車ボタンにも独自のカスタマイズが施されており、細部にまでこだわりが感じられます。
SRT名古屋の沿線スポットと楽しみ方

SRTの魅力は「乗って楽しい」だけではありません。沿線には名古屋を代表する観光スポットやグルメスポットが点在しており、途中下車しながら街歩きを楽しむのがSRTの真の醍醐味です。
栄エリア——名古屋最大の繁華街
SRTの起終点である栄は、名古屋最大の繁華街です。オアシス21の近未来的な「水の宇宙船」、名古屋テレビ塔(中部電力MIRAI TOWER)、久屋大通公園など、フォトジェニックなスポットが集中しています。ショッピングなら三越や松坂屋、LACHIC(ラシック)が徒歩圏内。地下には日本最大級の地下街「サカエチカ」が広がり、雨の日でも快適に買い物が楽しめます。SRTで名古屋駅から到着したら、まず栄エリアを散策するのがおすすめです。
広小路本町エリア——ビジネスと文化の交差点
広小路本町停留所周辺は、オフィスビルが立ち並ぶビジネスエリアですが、知る人ぞ知る魅力が隠れています。本町通沿いには老舗の飲食店が点在し、名古屋名物の味噌煮込みうどんやひつまぶしの名店もあります。また、少し足を延ばせば大須商店街にもアクセスでき、下町情緒あふれる買い物散歩が楽しめます。
納屋橋エリア——堀川沿いのおしゃれスポット
納屋橋は、名古屋を流れる堀川にかかる歴史ある橋のひとつです。近年は堀川沿いにカフェやレストランが増え、名古屋の「おしゃれエリア」として注目を集めています。春には桜並木が美しく、夜にはライトアップされた橋が幻想的な雰囲気を演出します。SRTの車窓からも堀川を渡る瞬間は見どころのひとつです。
柳橋エリア——名古屋の台所を覗く
柳橋停留所の最寄りには、柳橋中央市場があります。東京の築地市場に相当する名古屋の卸売市場で、新鮮な魚介類や名古屋コーチンなどの食材が並びます。一般客も入場できる食堂やお店があり、朝から活気あふれる市場の雰囲気を楽しめます。SRTで立ち寄って、市場の新鮮な海鮮丼を味わうのもおすすめの楽しみ方です。
名古屋駅エリア——リニア時代の玄関口
SRTの西側の発着点である名古屋駅エリアは、JRゲートタワー、ミッドランドスクエア、JPタワー名古屋などの高層ビルが林立する近代的なエリアです。将来的にはリニア中央新幹線の開業に伴い、さらなる発展が見込まれています。SRTの名古屋駅停留所はミッドランドスクエア前にあるため、名古屋駅からSRTに乗り換えて栄方面へ向かうこともスムーズにできます。
SRT名古屋の将来計画|周回ルートと路線拡大

現在は名古屋駅〜栄間の1ルートのみですが、名古屋市はSRTの路線を段階的に拡大する計画を進めています。特に注目されているのが、2026年秋のアジア競技大会に合わせた新ルートの開設です。
2026年夏:名古屋駅〜名古屋城ルート
2026年夏頃には、名古屋駅から名古屋城方面への新ルートが計画されています。名古屋城は年間を通じて多くの観光客が訪れる名古屋最大の観光名所ですが、名古屋駅からのアクセスは地下鉄とバスを乗り継ぐ必要があり、やや不便でした。SRTによる直通ルートが実現すれば、観光客にとって大きなメリットになるでしょう。
2026年秋:大須・名古屋城を含む周回ルート
2026年9月に名古屋で開催されるアジア・アジアパラ競技大会に合わせて、名古屋駅・栄・大須・名古屋城を結ぶ周回ルートの一部実現を目指しています。この周回ルートが完成すれば、名古屋の主要観光エリアをSRTだけで巡ることができるようになります。「乗って楽しい、降りて楽しい」というSRTのコンセプトが、より広いエリアで体験できるようになるでしょう。
🚌 現在のルート(2026年2月〜)
名古屋駅 ⇄ 栄
約5.6km・7停留所
広小路通を走行
🏯 拡大計画(2026年夏〜秋)
名古屋駅→名古屋城ルート
名駅→栄→大須→名古屋城の周回
アジア大会に合わせて段階整備
リニア開業を見据えた長期構想
名古屋市のSRT計画は、将来のリニア中央新幹線開業も見据えた長期的な都市交通戦略の一環です。リニア開業後は名古屋駅の利用者が飛躍的に増加すると予想されており、駅前広場の再整備と連動したSRTの発着拠点の拡充が計画されています。さらに、将来的には自動運転技術の導入も視野に入れており、ドライバーレスでの運行実現を目指す実証実験も検討されています。SRTは名古屋の都市交通の未来を担う存在として、今後さらに進化していくことが期待されています。
アジア・アジアパラ競技大会との関係
2026年9月に名古屋市を中心に開催されるアジア・アジアパラ競技大会は、SRTにとって大きな転機となるイベントです。大会期間中は国内外から多くの観客が名古屋を訪れるため、SRTは観光PRの手段としても重要な役割を担います。大会に合わせた周回ルートの整備は、観客の利便性向上だけでなく、名古屋の街の魅力を世界に発信する機会にもなります。公式サイトが5言語対応なのも、国際イベントを見据えた準備のひとつです。
SRT名古屋に関するよくある質問
まとめ|SRT名古屋は「乗ること自体が観光」になる新しい交通

📝 この記事のポイントまとめ
✓ SRTは「Smart Roadway Transit」の略で、2026年2月13日に名古屋駅〜栄間で運行開始
✓ BRTの柔軟性とLRTの快適性を融合させた、名古屋発の新しい交通コンセプト
✓ 運賃は大人210円、金〜月曜・祝日の午前9時〜午後5時台に1日12本運行
✓ キャッシュレス決済で全3扉から乗降可能、タッチ決済なら1日上限500円
✓ メルセデス・ベンツ「シターロG」ベースの連節バス(全長18m・定員122名)
✓ サロン席・カウンター席・透明ディスプレイXR演出など、バスの常識を超えた車内空間
✓ 2026年秋のアジア大会に合わせて名古屋城・大須を含む周回ルートに拡大予定
SRTは、単なる「新しいバス」ではありません。名古屋の街を地上から楽しみ、沿線の魅力を再発見するための「動くショーケース」のような存在です。地下鉄東山線なら5分で着く名古屋駅〜栄間を、あえて20分かけてSRTで移動する——そこには、速さだけでは測れない豊かな体験があります。
開業直後の今は週4日・1日12本の限定運行ですが、利用状況に応じた増便や路線拡大が計画されており、名古屋の都市交通の未来を担う存在として大きな期待が寄せられています。名古屋を訪れた際は、ぜひSRTに乗って「移動を楽しむ」新しい旅のスタイルを体験してみてはいかがでしょうか。

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