「新幹線の中で仕事をしたいけど、電話はできる?Wi-Fiは使える?どの席が作業しやすい?」——出張や移動が多いビジネスパーソンなら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
結論から言うと、2026年現在の新幹線は「走るオフィス」と呼べるほど仕事環境が充実しています。座席での通話やWeb会議がOKなS Work車両、1人用のビジネスブース、さらに2026年10月からは完全個室まで導入される予定です。
📝 この記事でわかること
- S Work車両・Pシート・ビジネスブースの使い方と料金
- 新幹線のWi-Fi速度とオンライン会議の実用性
- 仕事がはかどるおすすめ座席の選び方
- JR東日本「TRAIN DESK」やJR西日本のワークプレイスとの違い
実は新幹線のワークスペースは、ここ数年で劇的に進化しています。かつては「車内での通話は控えて」が常識だった新幹線が、今や「座席で堂々とWeb会議ができる」時代になりました。この記事では、新幹線で仕事をしたい方が知っておくべきすべての情報を、2026年3月時点の最新データで徹底解説します。
S Work車両とは?東海道・山陽新幹線の「走るオフィス」

S Work車両の基本情報|7号車が仕事専用空間に

S Work車両は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」「ひかり」「こだま」(16両編成)の7号車に設定されたビジネス特化の普通車指定席です。2021年に試験的に導入され、2023年10月から本格運用が始まりました。最大の特徴は、座席でパソコンのタイピング音や小声での通話・Web会議が許容されていること。通常の車両では周囲への配慮から通話を控える暗黙のルールがありますが、S Work車両ではその気兼ねが不要です。「移動時間を仕事に使いたい」というビジネスパーソンのニーズに真っ向から応えるサービスであり、JR東海はこの車両を「走るオフィス」と位置づけています。
S Workシートは追加料金なし|通常の指定席料金で利用可能
S Work車両の一般座席「S Workシート」は、通常の普通車指定席と同じ料金で利用できます。追加料金は一切かかりません。予約方法も簡単で、スマートEXやエクスプレス予約、e5489で指定席を購入する際に「S Work車両」を選択するだけ。2024年5月22日からはみどりの窓口や指定席券売機でも予約可能になり、利用のハードルがさらに下がりました。座席の配置は通常の普通車と同じ3列+2列(A・B・C席とD・E席)で、座席そのもののスペックに違いはありません。あくまで「仕事をする人が集まる車両」という環境面の付加価値がS Work車両の本質です。
S Work Pシートとは?1.5倍の広さを確保するプレミアム席

S Work車両の中でも特におすすめなのが「S Work Pシート」です。7号車の6〜10番の3列席(A・B・C席)に設定されており、B席にパーティション(間仕切り)を設置して1人で1.5席分のスペースを使えるようにした座席です。隣に人が座らないため、パソコンの画面を覗かれる心配がなく、肘掛けも広く使えます。料金は通常の指定席に1,200円を追加(2025年5月15日以降は2,000円に改定)。テーブルは前方に引き出して角度を変えられるため、ノートパソコンでの作業に最適です。1,200〜2,000円の追加で得られるプライバシーと作業効率を考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
S Work車両のマナーとルール
S Work車両には、通常の車両とは異なる独自のルールがあります。パソコンのキーボード音は許容されますが、外付けのメカニカルキーボードのような大きな音は控えるのがマナーです。通話やWeb会議は小声であれば座席で可能ですが、長時間の大声での通話は周囲の迷惑になります。また、S Work車両は「仕事専用車両」ではない点にも注意が必要です。仕事をしない方も乗車できますし、お子様連れの利用も制限されていません。あくまで「仕事をする方が優先的に利用できる車両」という位置づけです。静かに読書や睡眠をしたい方は、S Work車両以外の指定席を選んだほうが快適でしょう。
⚠️ 注意点
S Work車両は16両編成の列車のみに設定されています。8両編成の「こだま」や「ひかり」(山陽新幹線の一部)には設定がないため、予約時に編成を確認しましょう。また、S Work車両は普通車です。グリーン車のようなシートピッチや設備ではない点にも留意してください。
ビジネスブース|新幹線内の「1人用個室オフィス」
ビジネスブースの場所と設備
S Work車両の利用者限定で使える「ビジネスブース」は、N700S車両の7号車と8号車の間のデッキ付近に設置された1人用の個室スペースです。約1畳分の空間にテーブル、ハイチェア、電源コンセントが備えられ、壁と扉で完全に仕切られたプライベートな空間です。ビジネスブース内ではS Wi-Fi for Bizが利用でき、声を出しての通話やWeb会議も自由に行えます。座席では小声でしか通話できないS Work車両とは異なり、ビジネスブースでは普通の声量で話しても問題ありません。重要な商談の電話や、複数人参加のオンライン会議など、「しっかり声を出して話したい」場面で真価を発揮します。
ビジネスブースの料金と予約方法
ビジネスブースの料金は従量課金制です。最初の30分は10分あたり200円(30分で600円)、31分〜60分は10分あたり300円(30分で900円)で、最大60分の利用で合計1,500円となります。予約はスマートEXアプリまたはエクスプレス予約アプリから行います。乗車当日、改札を通過した後にアプリ上で空き状況を確認し、その場で予約する仕組みです。事前予約はできないため、確実に利用したい場合は乗車後すぐにアプリをチェックするのがコツ。人気の時間帯(朝の東京発や夕方の新大阪発など)は争奪戦になることもあるため、乗車直後に素早く予約しましょう。
S Work車両(7号車)の指定席を予約
改札通過後、アプリでビジネスブースの空きを確認
利用時間を選択して予約(最大60分)
予約時間にビジネスブースへ移動して利用開始
ビジネスブースの注意点|N700S限定・S Work車両利用者のみ
ビジネスブースにはいくつかの制約があります。まず、ビジネスブースが設置されているのはN700S車両のみです。東海道新幹線には現在もN700Aが多数運行されており、すべての列車にビジネスブースがあるわけではありません。N700Sが充当される列車は、JR東海のウェブサイトで確認できます。次に、利用できるのはS Work車両(7号車)の乗客のみという制限があります。グリーン車や他の普通車の乗客は利用できません。さらに、最大利用時間は60分まで。東京〜新大阪間の約2時間15分のうち、60分しか使えないため、「乗車中ずっとブースにいる」ことは不可能です。重要な会議の時間に合わせてピンポイントで予約するのが賢い使い方です。
2026年10月からは「完全個室」も登場
2026年10月1日からは、ビジネスブースとは別に「完全個室」がN700Sに導入されます。1人用と2人用の2タイプで、1編成あたり2室のみの設置。鍵付きの完全プライベート空間で、専用Wi-Fi、レッグレスト付きリクライニングシート、照明・空調・放送の個別調整機能を備えます。ビジネスブースとの最大の違いは、乗車区間を通じてずっと利用できる点。60分の時間制限があるビジネスブースに対し、個室は東京から博多まで約5時間を丸ごとプライベート空間で過ごすことも可能です。料金は未発表ですがグリーン車以上になる見込みで、ビジネスブースよりも格段に高額になるでしょう。「コスパのビジネスブース」か「快適さの個室」か、用途に合わせて選ぶ時代がやってきます。
新幹線のWi-Fi環境を徹底解説|仕事に使えるレベルか?

Shinkansen Free Wi-Fiの実力と限界
東海道・山陽新幹線の全列車で利用できる「Shinkansen Free Wi-Fi」は、誰でも無料で使えるWi-Fiサービスです。メールの送受信やウェブサイトの閲覧程度であれば問題なく使えますが、ビジネス用途にはやや力不足というのが正直な評価です。通信速度は混雑状況に大きく左右され、空いている時間帯で数Mbps〜10Mbps程度、混雑時は0.5〜3Mbpsまで低下することもあります。また、利用にはメールアドレスまたはSNSアカウントでの認証が必要で、一定時間ごとに再接続が求められる場合もあります。動画会議や大容量ファイルのアップロードには不向きで、あくまで「あると便利」レベルのサービスと考えたほうがよいでしょう。
S Wi-Fi for Biz|ビジネス向け高速Wi-Fi
S Work車両の利用者は、通常のShinkansen Free Wi-Fiに加えて「S Wi-Fi for Biz」という専用Wi-Fiを利用できます。2021年10月からN700S車両で提供が始まったこのサービスは、通常のWi-Fiの約2倍の通信容量を誇り、時間制限なしで使えます。接続方法はSSID「S_Wifi_for_Biz」を選択し、パスワード「Nozomi_S」を入力(座席ポケットのリーフレットにQRコードもあり)。空いている時間帯であれば10Mbps以上の安定した速度が出ることもあり、ウェブ会議にも対応できるレベルです。ただし、混雑時には速度が低下するため、重要なオンライン会議がある場合はモバイルWi-Fiやスマホのテザリングをバックアップとして持っておくのが安心です。
モバイルWi-Fiとテザリング|車内Wi-Fiに頼らない選択肢
新幹線での仕事を確実にこなしたいなら、車内Wi-Fiだけに頼らないことが重要です。モバイルWi-FiやスマートフォンのテザリングはS Wi-Fi for Bizよりも安定した通信を得られることが多く、特にWiMAXや5G対応のモバイルルーターであれば、トンネル区間以外では快適に通信できます。ただし、東海道新幹線には長大トンネルがいくつかあります。特に新丹那トンネル(約8km)や日本坂トンネル(約2km)では、携帯電話の電波が途切れることがあります。2026年現在、主要トンネルでは携帯電話の電波環境が改善されていますが、完全にカバーされているわけではありません。重要な会議はトンネル区間の通過時刻を事前に確認しておくと安心です。
オンライン会議は現実的にできる?実践的なアドバイス
「新幹線の中でオンライン会議ができるのか?」という疑問への回答は、「条件次第でできる」です。S Work車両の座席であれば小声での通話が許容されているため、カメラオフ+小声であればZoomやTeamsでの会議は十分に可能。ビジネスブースを予約すれば、カメラオン+通常の声量でも問題ありません。実践的なアドバイスとしては、まずワイヤレスイヤホン(ノイズキャンセリング付き)は必須。相手の声を聞き取りやすくなるだけでなく、自分のマイクの音質も向上します。次に会議資料は事前にダウンロードしておくこと。Wi-Fiが途切れても画面共有の資料が手元にあれば慌てません。さらに、万が一の通信トラブルに備えて「電波の都合で一時的に映像が途切れる可能性があります」と会議冒頭で伝えておくと、スムーズに進行できます。
仕事がはかどる!おすすめ座席の選び方

窓側A席・E席|集中作業に最適
新幹線で仕事をするなら、まず候補に挙がるのが窓側席(A席・E席)です。窓側席の最大のメリットは、通路を歩く人の視線を気にしなくてよいこと。パソコンの画面を覗かれるリスクが低く、機密性の高い作業にも適しています。また、窓枠の小さな棚にスマートフォンや小物を置けるのも便利なポイント。N700Aの窓側席には壁面にコンセントが設置されているため、充電の心配もありません(N700Sは全席にコンセントあり)。デメリットはトイレや飲み物の購入で席を立つ際に隣の人に声をかける必要がある点。長時間の乗車で頻繁に席を立つ方は、窓側より通路側のほうがストレスが少ないかもしれません。
通路側C席・D席|出入りしやすく電話にも便利
通路側(C席・D席)は、席を立ちやすいのが最大のメリットです。電話のためにデッキに移動する際や、ビジネスブースを予約して利用する際に、隣の人を気にせず移動できます。特にD席(2列席の通路側)は、隣が1人だけなので立ち上がりやすく、パソコン作業と通話を両立したいビジネスパーソンに人気があります。テーブルの広さは窓側・通路側で変わりませんが、通路側は肘掛けの片方が共有になるため、隣の人との距離感がやや気になる場合があります。なお、3列席のC席は隣にB席がありますが、S Work Pシートを利用している場合はB席にパーティションが設置されるため、実質的に窓側のような快適さが得られるケースもあります。
最前列と最後列|テーブルの広さと荷物スペースの違い
座席選びで意外と見落としがちなのが「列の位置」です。最前列の座席は、前の座席の背もたれに取り付けられたテーブルではなく、壁面に固定された大型テーブルが使えます。このテーブルは通常の背面テーブルよりも縦幅が広く、ノートパソコンに加えてスマートフォンや書類を同時に置けるスペースがあります。パソコンとスマートフォンの2画面で作業する方には最適です。一方、最後列には座席の後ろに約20cmの荷物スペースがあります。大きなキャリーケースやビジネスバッグを背後に置けるため、頭上の荷物棚にバッグを上げ下ろしする手間が省けます。出張帰りで荷物が多い方には最後列がおすすめです。
N700SとN700Aの設備の違い|コンセント事情

仕事で新幹線を使うなら、車両の型式による設備の違いも知っておきたいポイントです。最新型のN700Sは全席にACコンセントが設置されており、どの席に座っても充電が可能。コンセントは肘掛けの先端部分にあり、30cm程度の充電ケーブルでも届く便利な配置です。一方、N700Aは窓側席と最前列・最後列にのみコンセントが設置されており、3列席のB席やC席(最前列・最後列以外)にはコンセントがありません。ビジネス利用では充電切れは致命的ですから、N700Aに乗る可能性がある場合は窓側席を確保するか、モバイルバッテリーを持参するのが鉄則です。N700Sかどうかは、JR東海のウェブサイト「本日のN700S運行予定」で確認できます。
新幹線のコンセントはACコンセント(100V)のみで、USB端子は原則として設置されていません。ただしS Work車両の一部座席(Pシートなど)ではUSB Type-AおよびType-Cの充電端子が備わっている場合があります。USB充電しか持っていない方は、必ずACアダプターを忘れずに携帯しましょう。
JR東日本「TRAIN DESK」|東北・北陸新幹線のワークスペース
TRAIN DESKの基本情報と対象路線
東海道・山陽新幹線のS Work車両に対応するJR東日本のサービスが「TRAIN DESK」です。東北新幹線・北海道新幹線では7号車、上越新幹線・北陸新幹線では9号車に設定されています。「ワーク&スタディ優先車両」という名称のとおり、仕事だけでなく勉強や読書にも適した静かな環境が確保されています。座席ではパソコンの使用はもちろん、通話やWeb会議も可能。S Work車両と同様に、周囲の利用者も仕事や勉強をしているため、タイピング音や小声での通話に対する寛容さがあります。料金は普通車指定席と同額で追加料金はかかりません。
S Work車両との違い|平日限定・繁忙期は設定なし
TRAIN DESKとS Work車両には、いくつかの重要な違いがあります。最大の違いは、TRAIN DESKは平日のみの設定で、土日祝日には通常の指定席に戻ること。さらに繁忙期(GW・お盆・年末年始)にも設定されません。つまり、週末や連休に出張がある場合はTRAIN DESKを利用できないのです。一方、S Work車両は365日設定されており、土日や繁忙期でも利用可能です。また、TRAIN DESKにはS Work Pシートのようなパーティション付き座席やビジネスブースは設置されていません。これらの追加設備はJR東海のS Work車両ならではのサービスと言えるでしょう。予約はえきねっと、指定席券売機、みどりの窓口で可能です。
| 比較項目 | S Work車両(JR東海) | TRAIN DESK(JR東日本) |
|---|---|---|
| 対象路線 | 東海道・山陽新幹線 | 東北・北海道・上越・北陸新幹線 |
| 対象号車 | 7号車 | 7号車(東北・北海道)/ 9号車(上越・北陸) |
| 設定日 | 365日(毎日) | 平日のみ(繁忙期除く) |
| 追加料金 | なし(Pシートは+1,200〜2,000円) | なし |
| ビジネスブース | あり(N700S限定) | なし |
| 予約方法 | スマートEX / エクスプレス予約 / e5489 / 窓口 | えきねっと / 指定席券売機 / 窓口 |
JR西日本「新幹線ワークプレイス」|山陽・北陸新幹線のサービス
JR西日本も独自のワークスペースサービスを展開しています。山陽新幹線ではJR東海と共同でS Work車両を設定し、東海道新幹線と同じサービスを提供。北陸新幹線ではJR東日本と共同でTRAIN DESKを設定しています。さらにJR西日本は「新幹線ワークプレイス」という総合ブランドを掲げ、車内だけでなく駅構内のワークスペースも含めた「移動しながら働く」環境の整備を推進しています。山陽新幹線の「みずほ」「のぞみ」であればS Work車両が利用でき、北陸新幹線「かがやき」「はくたか」であればTRAIN DESKが利用可能です。出張先によってJR各社のサービスを使い分けるのがポイントです。
九州新幹線のビジネス環境
九州新幹線にはS Work車両やTRAIN DESKのような専用ワーク車両の設定はありません。ただし、山陽新幹線に直通する「みずほ」「さくら」であれば、山陽新幹線区間ではS Work車両が設定されている列車もあります。九州新幹線内での移動で仕事をしたい場合は、通常の指定席やグリーン車を利用することになります。九州新幹線は全線で約1時間30分(博多〜鹿児島中央)と比較的短い乗車時間のため、専用ワーク車両へのニーズが東海道新幹線ほど高くないのかもしれません。ただし車内Wi-Fiは利用可能で、コンセントも一部座席に設置されています。
駅のワークスペースも活用しよう|乗車前後の仕事場所
EXPRESS WORK|東海道新幹線の駅構内ブース
JR東海が展開する「EXPRESS WORK」は、東海道新幹線の主要駅に設置された個室型ワークブースです。東京駅・品川駅・新横浜駅・名古屋駅・京都駅・新大阪駅など全10駅に設置されており、新幹線の乗車前後に利用できます。1人用の「EXPRESS WORK-Booth」はデスク、電源、Wi-Fiを備えた防音個室で、15分単位の従量課金制。急な電話やオンライン会議がある場合に、ホーム上や待合室よりもはるかに快適な環境で仕事ができます。さらに東京駅には丸の内中央ビル11階に「EXPRESS WORK-Lounge」が設置されており、コワーキングスペースのような広い空間で作業することも可能です。
STATION WORK|JR東日本の駅ナカシェアオフィス
JR東日本が全国約800拠点で展開する「STATION WORK」は、駅構内に設置された個室型シェアオフィスです。「STATION BOOTH」と呼ばれる1人用の防音ブースが主力で、東京駅、品川駅、新宿駅、上野駅など主要ターミナル駅の改札内外に設置されています。15分275円(税込)からの従量課金制で、Wi-Fi・電源・モニター接続用のHDMI端子を完備。アプリで空き状況の確認と予約ができ、思い立ったらすぐに利用できる手軽さが魅力です。新幹線に乗る前の「あと30分だけ仕事を片付けたい」というシーンや、到着後に「オフィスに向かう前に資料を仕上げたい」というシーンで大活躍します。
新幹線の待ち時間を「仕事時間」に変えるコツ
出張の移動では、新幹線の車内だけでなく待ち時間も有効活用したいものです。乗車前にEXPRESS WORKやSTATION BOOTHで30分集中して仕事をし、車内ではS Work車両でパソコン作業を続け、到着駅でもう一度ブースに入って最終確認——こうした「シームレスなモバイルワーク」が、現在の新幹線駅では可能になっています。ポイントは、事前にどの駅にどのワークスペースがあるかを把握しておくこと。JR東海のEXPRESS WORKアプリやJR東日本のSTATION WORKアプリをインストールしておけば、リアルタイムで空き状況を確認できます。出張が多いビジネスパーソンにとって、これらのアプリは必携のビジネスツールと言えるでしょう。
カフェやラウンジとの使い分け
駅周辺のカフェや航空会社ラウンジも仕事場所の選択肢ですが、ワークブースには明確な優位性があります。カフェは周囲の雑音が多く、通話やオンライン会議には不向き。また、パソコンの画面を他人に見られるリスクもあります。STATION BOOTHやEXPRESS WORKは完全個室なので、機密性の高い作業でも安心して行えます。コスト面ではカフェのコーヒー代(400〜600円)に対し、ワークブースは15分275円〜。30分の利用なら550円程度でカフェとほぼ同じですが、防音個室という環境面では圧倒的にブースが優れています。一方、2時間以上の長時間作業であればカフェのほうがコスパが良い場合もありますので、作業時間と内容によって使い分けるのが賢い選択です。
新幹線ワークの持ち物チェックリスト

必須アイテム5選|これだけは持っていこう
新幹線で効率的に仕事をするために、必ず持っておきたいアイテムを紹介します。第1にACアダプター付き充電器。前述のとおり、新幹線のコンセントはACタイプのため、USB充電ケーブルだけでは充電できません。第2にワイヤレスイヤホン(ノイズキャンセリング付き推奨)。オンライン会議はもちろん、周囲の雑音をカットして集中するのにも役立ちます。第3にモバイルバッテリー。N700Aの一部座席にはコンセントがないため、保険として必須です。第4に覗き見防止フィルター。隣の席から画面を見られるリスクを軽減します。第5に折りたたみ式のスマホスタンド。テーブルにスマホを立てかけておけば、パソコンとスマホの2画面で作業でき、効率が格段に上がります。
ACアダプター
USB不可・AC必須
ワイヤレスイヤホン
ノイキャン付き推奨
モバイルバッテリー
コンセントなし席の保険
覗き見防止フィルター
セキュリティ対策
スマホスタンド
2画面作業に便利
あると便利なグッズ|生産性をさらに上げる
必須アイテムに加えて、あると便利なグッズも紹介します。折りたたみ式キーボードは、タブレットでの作業を快適にしてくれます。ノートパソコンを持ち歩かない出張スタイルの方には特におすすめです。マウスも、トラックパッドでの操作に慣れていない方には必須。ただし、新幹線のテーブルは限られたスペースなので、小型のモバイルマウスを選びましょう。ネックピローは仕事の合間の仮眠に便利。30分程度の「パワーナップ」で頭をリフレッシュすれば、残りの乗車時間の作業効率が上がります。意外と忘れがちなのが延長コード。隣の席のコンセントから電源を取りたい場合や、コンセントの位置が遠い場合に活躍します。
セキュリティ対策|公共の場での仕事の注意点
新幹線は公共の場であり、オフィスと同じ感覚で仕事をするのはリスクがあります。まず覗き見対策。前述の覗き見防止フィルターに加えて、パソコンの画面の明るさを下げることも有効です。画面が明るいほど隣や後ろからの視認性が高まります。次に会話の内容にも注意が必要です。S Work車両やビジネスブースで通話する際も、社名・個人名・金額などの機密情報はできるだけ伏せて話しましょう。同じ車両に競合他社の社員が乗っている可能性は常にあります。また、離席時にはパソコンをロックする習慣も大切です。トイレや喫煙で席を離れる際、パソコンを開いたまま放置するのは情報漏洩のリスクがあります。Windows+L(Windows)やControl+Command+Q(Mac)で画面をロックしてから席を立ちましょう。
時間管理術|乗車時間を最大限活用する方法

東京〜新大阪間の約2時間15分は、使い方次第で大きな成果を生む時間です。おすすめの時間配分を紹介します。乗車直後の最初の15分はメールチェックと返信に充て、溜まったコミュニケーションを処理。続く60〜90分を集中作業時間に設定し、資料作成やプレゼン準備など最も頭を使う仕事に取り組みます。到着30分前からは到着後のスケジュール確認やメールの最終チェックに充てるのが理想です。この「15-75-30」の時間配分は、人間の集中力のサイクルにも合致しており、新幹線の乗車時間を最大限に活用できる方法です。ビジネスブースでの会議は、この集中作業時間の前後に組み込むと、作業と会議のバランスが取れます。
まとめ|新幹線ワークスペースの全体像と選び方

📌 この記事のポイント
✓ S Work車両(7号車)は追加料金なしで通話・タイピングOKの仕事専用空間
✓ S Work Pシートは+1,200〜2,000円で1.5席分のプライベート空間を確保
✓ ビジネスブースはN700S限定・最大60分・最大1,500円の1人用個室
✓ 2026年10月から完全個室(1人用・2人用)が導入され、乗車中ずっと個室利用が可能に
✓ Wi-FiはS Wi-Fi for Biz(S Work車両限定)が最も高速、バックアップにモバイルWi-Fi推奨
✓ コンセントはN700Sなら全席、N700Aは窓側と最前列・最後列のみ
✓ JR東日本「TRAIN DESK」は平日限定、S Work車両は365日利用可能
新幹線のワークスペースは、S Work車両の登場から数年で驚くほど進化しました。追加料金なしの「S Workシート」から、パーティション付きの「Pシート」、1人用の「ビジネスブース」、そして2026年10月に登場する「完全個室」まで——自分の仕事スタイルと予算に合わせて最適な環境を選べる時代になっています。
かつての新幹線は「移動するだけの時間」でしたが、今や「最も生産的な2時間」にもなり得ます。S Work車両で集中作業をし、ビジネスブースでオンライン会議をこなし、駅のEXPRESS WORKで最終確認をする。そんなシームレスなモバイルワークが、新幹線のワークスペースによって実現しています。次の出張では、ぜひ新幹線を「走るオフィス」として活用してみてください。

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